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韓国・ソウルの交通事情

韓国・ソウルのバス事情(3)

2004年の大リニューアル
バスの種別とエリア番付

バスの塗装と種別をわかりやすく

 世界中のバスは、バス会社によってバスの塗装が異なることが多いです。しかし、韓国のバスは、予め自治体が指定した塗装で走ったり、そもそも塗装に関する制限がなかったりで、それぞれ自由な塗装で走っていました。
 ソウル市では1964年より市内で登録されている路線バスに塗装を指定し、2004年のリニューアル前までにそれぞれの種別に彩りのある塗装を指定してきました。
 また、既存の種別では路線番号の制限はなく、リニューアル以前は都心に全く別の場所へ走る同じ路線番号のバスが走ったり、枝番(11-1・11-2・11-3…11-7など)の乱立がするなど、改善が必要でした。
 この問題の解決方法として、2004年の大リニューアルで、幹線(Blue)・支線(Green)・広域(Red)・循環(Yellow)と、主に4つの種別を設定し、ソウル市内で一貫性のある路線番号の制定をし、バスをよりわかりやすく乗れるように対策を講じたのです。

エリア番付

 そして、2004年のリニューアルに欠かせないのが、ソウルやその周辺を8つのエリアに区切り、それぞれ0から7まで番付をしました。ソウルのど真ん中といえば、ソウル駅周辺、明洞、光化門などがありますが、それらのエリア番号は0で、それを基準に時計回りで1から7まで指定され、路線番号にエリア番号を含むようにする方針で作られたのです。

幹線バス

幹線バスは名前の通り市内の幹線道路などを通り比較的に距離が長く、市内の都心や副都心を中心に経由する路線です。番号は3桁で、次のような方法で路線番号が決められます。

例えば、402番の場合、

4 = 江南区・瑞草区のエリア番号
0 = 中区・鍾路区のエリア番号
2 = 固有番号

 したがって、402番は江南からソウル都心に向かう2番の路線だということがわかります。実際に住んでいると路線番号の意味はあまり気にしないで済みますが、初めて行った人にとってはある程度行く場所のイメージが付くようで、とても便利だという声も上がっています。

支線バス

 次に支線バスです。支線バスは上述した幹線バスより狭い範囲で走り、路線が曲がりくねっている場合が多く、速達性より、できるだけ多くの人に近づくよう、利便性を高めた路線です。路線番号は4桁なので、初めて接すると紛らわしくなります。番号の設定方法は以下のとおりです。

7016の場合、

7 = 恩平区・西大門区
0 = 中区・鍾路区
16= 固有番号

 また、リニューアル前の市内路線より小さい範囲で走っていた「マウルバス」(直訳すると村バス・街バス)に関しては支線と同じく緑の塗装にてリニューアルしました。マウルバスは「江南02」「永登浦10」のように区名を入れているので、ハングルが読めないと使うには少し難しいですが、居住しない限り乗ることはほぼありません。しかし、観光地に飽きて探検がしたい方にはおすすめです。

広域バス

 広域バスはソウル市を覆っている京畿道からソウル市をつなぐことと、23時から1時までの深夜に走る深夜バスの役割をするという2つの大きな目的でできたものです。しかし、ソウル市民のためのバスなのに京畿道住民のためのバスになってしまっているという声が高まり、ソウル市も広域バスに消極的になりました。よって、京畿道とソウルの都市間のバス輸送は京畿道の路線バスが大半を担っています。また、相次ぐ鉄道路線の開業により、京畿道に急行電車が多くなったことで、広域バスの立地が狭くなったこともその理由です。

9701番の場合

9=広域バスの意味

7=恩平区から流入

01=固有番号

循環バス

 循環バスは、日本語でわかりやすく言うと「環状バス」になります。リニューアル当時には様々なエリアに循環バスが走っており、永登浦エリア、江南エリア、都心エリアにて7路線が開通しましたが、料金の問題や支線バスとのシステム重複などで永登浦と江南では廃止され、現在は都心に01、02、03、04の路線のみ走っています。また、それらの路線にはすべて電気バスが走っており、黄色の塗装は見ることができないようになりました。

バラバラな路線番号が一貫的に!

 2004年7月1日に行われた大リニュアールのおかげで、それまでバラバラだったソウル市内のバスの路線番号が市全体にて統一化されるようになりました。
 小さな変化はあったものの今でも徹底的にその型を崩さないようにしており、バスの利用者にとって、よりわかりやすく使うことになったのしょう。

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